脊柱管狭窄症でやってはいけないこと

脊柱管狭窄症は、狭窄している背骨に反る力が持続的に加わることで症状が悪化します。

なので、脊柱管狭窄症の方の特徴として、歩いているとしばらくして痛くなってくる、長く立っていると痛くなってくる、などがありますが、歩行も立位も共通して腰に反る力が加わっているからです。

狭窄して狭くなっている部位に反る力が加わることでさらに脊柱管が狭くなり、神経および血管に圧迫の力が加わってしまいます。

なので、原則反る力を長時間加えないことを考えなければいけません。

脊柱管狭窄症

姿勢について

姿勢は、無理に背筋を伸ばしすぎないことを意識しましょう。
腰が痛いのは姿勢が悪いせいだと思い、無理に背筋を伸ばそうとする方がいます。
また、年齢とともに背中は自然と丸まってきます。
昔から姿勢を正さないといけないと教わっていたため、無意識で過剰に背筋を伸ばす癖がついている方もいらっしゃいます。
症状が強いときは、どんな姿勢が楽か?を意識して姿勢を見直しましょう。

立位の姿勢が長く続くと腰に反る力が加わってきます。
長時間の立ち姿勢は極力避けるようにし、途中で休憩しましょう。

身体を反る

運動・体操について

原則、体を動かすことは大切です。
全身を刺激する体操や太極拳、ヨガなどもできる範囲で行うことはお勧めです。
症状が辛くなるような場合は中止か負荷を弱めることを考えましょう。

問題は歩行についてです。
症状が強いときは無理に歩行時間をとる必要はありません。
痛みの出ない、別の運動で体を活動させましょう。

例えば、自転車であったり、スクワットなどです。
買い物カートを引いて歩くのは楽という方もいらっしゃいます。
そのような方はカートを引いて歩くことはとても良い活動となります。

食事・サプリについて

現在、脊柱管狭窄症の原因となりうる食生活や、改善する食事法などで、きちんとエビデンス(科学的根拠)のあるものはありません。
グルコサミン、コンドロイチンといったいわゆるサプリなどもエビデンスのあるものは現段階ではありませんので過度な期待はしないほうが良いでしょう。
神経にはビタミンB12が有効との考え方もありますが、実際にはあまり効果が期待できません。
胃腸や肝臓など、内臓に負担のかけないバランスの取れた食事を心がけましょう。

インターネットについて

症状に悩まされてくると、みなさん時間があればインターネットで自分の症状について調べてしまいます。
しかしインターネットに乗っている情報は偏りがあり、情報を見続けることにより不安が強くなってしまいます。
過度な不安は症状を痛みから苦痛に変えてしまい、より症状が辛く感じるようになります。
また不安で睡眠時間が減少するのも症状に悪影響を及ぼします。
一般的な情報だけ知ったらそれ以上偏った情報は見ないように心がけましょう。

心持ちについて

脊柱管狭窄症は、ほとんどの方は時間をかけて自然に改善していく症状です。
MRIなどにより神経の通る管が狭くなっていると説明を受けたとしても、それは症状がで始めたときに急激に狭くなったのではありません。
加齢とともに徐々に変化してきたものです。
症状が出る前は、神経の通る管は狭かったのに何も症状なく過ごせていたことにも注目してください。
つまり、神経の通る管は狭くなっていても症状が出ない状態は可能だということです。